令和6年度 データセンターフォーラム

1. 趣旨

 データセンターは現在、様々な環境変化に直面しています。特筆すべきは、世界各地でのデジタルトランスフォーメーションの進展によるデータ量の急増です。特にAIの普及は計算リソースへの需要を大幅に増加させており、これに対応するための新たなインフラ整備が求められています。

 また、環境問題への対応も急務となっています。特にカーボンニュートラルへの移行は、エネルギー消費が大きいデータセンターにとって大きな課題です。再生可能エネルギー源へのシフト、エネルギー効率化への取り組み、廃熱の再利用などを通じて、データセンターは自からのカーボンフットプリントを削減する必要があります。
 さらに、サプライチェーン全体を通じた環境負荷の軽減も求められています。これには、施設を含むハードウェアの製造から廃棄までのライフサイクル全体での対策が含まれます。

 AIの急速な進化はAI用チップの開発を通じデータセンターにも影響を及ぼしています。これらのチップは計算能力を向上させるだけでなく、消費電力の削減を通じて、エネルギー効率の良いデータセンターの構築に役立つ可能性があります。

 以上に述べた環境変化はデータセンターの運営と設計に大きな影響を及ぼしており、関係者はこれらの課題に対応するために新たな戦略と技術を模索しています。

 本フォーラムでは、データセンターを取り巻くグローバルな環境変化と国内の立地問題、AIチップ開発の進展、ベンダー視点からの将来技術動向、カーボンニュートラルへの対応といった課題について議論し、今後のデータセンターの運用と経営に及ぼす影響、データセンターの効率性と環境負荷の減少について、その方策と展望を議論します。

2. 第1回 開催概要

 2024年6月21日 14:00-16:00 に第1回 データセンターフォーラム(委員長:江崎 浩 東京大学 教授)を開催しました。
 第1回フォーラムでは、データセンター開発の課題および本フォーラムにおける検討テーマ(グローバルな環境変化、AIチップ開発の進展、将来技術動向、カーボンニュートラルへの対応など)について議論しました。

3. 本フォーラムにおける検討テーマ

【テーマ1】 データセンター開発の課題
【テーマ2】 グローバルに見たデータセンター事業の動向
【テーマ3】 データセンターの将来技術動向
【テーマ4】 AI用チップ開発や光電融合技術の進展がデータセンターに与える影響
【テーマ5】 脱炭素問題(サプライチェーン全体を通して)

4. フォーラム委員

氏名所属役職
【委員長】
江崎 浩
東京大学教授
岡本 浩東京電力パワーグリッド株式会社取締役 副社長執行役員
片桐 恭弘産業技術総合研究所 人工知能研究センターセンター長
川島 正久NTT 研究企画部門IOWN推進室IOWN技術ディレクタ
澤村 徹さくらインターネット株式会社執行役員
平井 淳生(一社)電子情報技術産業協会常務理事
古田 敬デジタル・インフラストラクチャー・コンサルティング合同会社(兼)デジタルエッジグループ 共同創業者代表
山井 美和株式会社インターネットイニシアティブ常務執行役員
相澤 徹(一財)機械システム振興協会専務理事
[オブザーバ]経済産業省 商務情報政策局 情報産業課
[オブザーバ]総務省 総合通信基盤局 電気通信事業部 データ通信課

【第1回 開催状況】